貧困に陥らないために~『反貧困-「すべりだい社会」からの脱出』

今まで、左翼的なものにアレルギーがありました。というよりも、自分も不安定な世の中を生きている一人であり、パンドラの箱の中身を見てしまうようでこの種の本は避けていましたが、私ぐらいの世代(20代やその前後)こそ絶対的に読んでおくべきものと思いました。

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

  • 作者: 湯浅 誠
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 新書




作者は、ご存知のとおり湯浅誠氏。
自分にとって貧困とはまだまだ遠いもので実感が少なく、せいぜい闇金ウシジマ (ビッグコミックス)の中のフィクション的なものくらいの認識であった。
また、経済とかがちょっとづつ理解することが出来てきた年代が小泉構造改革の頃でもあり、竹中平蔵さん本が初めて読んだ経済系の本であることから、自由な市場主義経済と規制緩和がこれからの日本のあるべき姿だと思っておりました。
もちろんその意識は変わりませんが、同時に日本のセーフティー「ネット」の脆弱さが改めて気付かされました。
セーフティーネットは、その名のとおり、さまざまな貧困に対する「網」である必要があるのに、現在の仕組みだとその「網」が穴だらけのような状態なのです。
だからといって、自分から社会的な活動をする気はありませんし、ここで現在の社会体制に批判をしてもなんの効果もありません。
で、自分に活用出来る部分を読みとってみました。活用出来る部分としては、
①現状の中にあるセーフティーネットの仕組みを知り、それをしたたかに利用すること
②自分の中にさまざまな「溜め」を作ること
でした。
勝間さんではないですが、この「したたか」というのが大切で、日本のにはセーフティネットの仕組みはあるのですが、それを利用する知識や知恵や意識がないばかりに、セーフティーネットの網から落ちてしまうのです。それを防ぐためにセーフティーネットに関しての知識を蓄える必要があるということです。
また、「溜め」とは、経済的な余裕を持つための金銭的な「溜め」だけでなく、知識、家族や友人やその他の人脈、心身の健康などなどの「溜め」のことです。
貧困とは、金銭的な「溜め」が無くなってしまうことだけではなく、その他の「溜め」が無くなってしまう事により陥ってしまうらしいです。
とにかく自分を守るためには、知識や現状の仕組みを貪欲に吸収し、それをしたたかに使っていく事が何よりも大切だなとあらためての実感でした。
社会的な問題の提起本ではありますが、同時に下手な自己啓発書よりも自己啓発をさせられてしまう本でした。

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

  • 作者: 湯浅 誠
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 新書